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スーパー耐久レース2012(第6戦)オートポリスサーキットへ行って来ました!


  • 11月8日(木)から11日(日)の日程で、『スーパー耐久レース2012 第6戦(最終戦)』を戦う為に、オートポリスサーキットに行って来ました。

    今シーズン5戦を戦って来て、シリーズポイントはトップの#18から7ポイント離され、3位の#58から3・5ポイント差で追われる展開で、なんとか2位で最終戦まで来ることが出来ました。ここから逆転してシリーズチャンピオンをもぎ取るには、ポールポジションポイントの2ポイントを取りつつ優勝を飾るか、#38が高順位で#18が下位に沈むかしかチャンスは無い、他力本願的な要素が高く、奇跡を待つしかない状況である事を把握しつつ、でも私としては去年携わったチームがシリーズ2位でしたので、チャンピオンを目指す為にやれる事は全てするつもりで、サーキットへの移動を徹夜で行いました。

    今回の#38にとっての明るい要素は、@S耐にとって初のオートポリスサーキットである事。Aほとんどのドライバーさんが初走行であるにも関わらず、#38のB&Cドライバーはココがホームコースで走り慣れている事。Bライバル達のFF勢とは違い、このサーキットレイアウトがFRのS2000に有利。だという事が上げられます。

  • 11月8日(木)は『搬入日&フリー走行日』でした。

    このサーキットが初走行となるAドライバー藤村選手は、前日の7日(水)にBドライバー藤田選手所有のS2000を使って、コースを覚える為にプライベートテストを行っていたので、その時の状況を聞きつつ、搬入を済ませました。

    その後は、私も何度かGTなどで来た事は有るが、走った事が無いコースという事で、サーキットウォークの時間を使って、1周4.674qのコースを藤村選手たちと歩いて周り、コースの状況などを確認しました。

  • この日の「フリー走行」は、S耐で初開催のオートポリスサーキットが初走行となるチームが多い為に、通常より1日多く任意のフリー走行枠を設けたものです。

    2時間のこの枠を使って、まずは走り慣れた藤田選手にてセット確認を行っていき、ある程度セットが決まって来た頃、藤村選手に代わってセット確認&コースへの習熟走行に時間を割きました。

    予算の為か、ライバルチーム達はこの日の走行をキャンセルしたり、タイムが出せずに苦労している中、#38はクラストップでこの日の走行を終えました。

  • 9日(金)も『フリー走行日』でした。

    この日は、1時間×3本のフリー走行枠があった為、この日の朝に合流を果たしたCドライバー筒井選手も交えて、セット確認&習熟走行を行って行きました。

    #38としては9月末に、B&Cドライバーとプライベートテストも行っていましたので、早めにセットアップが完了し、あとはAドライバーのコース習熟を目的に淡々とLAPを重ねていった、3本目の走行枠で突然、藤村選手から「何か壊れました!」と無線が入りました。PITに戻されたマシンを確認するとデフの故障でしたので、この日の走行を終了し、マシンの各部チェックとデフの交換作業に入りました。大事な予選&決勝を前にこういったパーツが壊れるのは、私にとっては悪くない流れに感じながら、この日の作業をニヤケながらしたのは内緒ですw

  • 10日(土)は『予選日』です。

    天気予報の通り、週末にかけて天気が崩れてくる様子でしたので、「雨が降ってくる前に少しでも早くタイムを出すように!」と藤村選手に無線で話し、マシンをコースに入れました。

    Aドラ予選結果は4位。初めてのサーキットで、この週末でこの予選がベストラップでしたので、走れば走るほど速くなる、スロースターターな彼特有のこの感じも、3年も一緒にレースをしていたら馴れたものです。このまま行けば、翌日の決勝も心配無さそうだと、勝手に安心してAドラ予選が終了しました。

    Bドラ予選は2位。このサーキットをホームコースとする藤田選手は、さすがの速さを見せて、GTドライバー佐々木孝太選手に0.2秒遅れてこの結果となりました。

    S耐は、A&Bの予選タイムの合算タイムで決勝グリッドが決まりますので、この結果3位から翌日の決勝がスタートする事になり、当初掲げていた目標のポールポジションポイントを加算して、自力でシリーズチャンピオンを勝ち取る事は不可能となり、#18とポジションを離しての他力本願的なレース展開が決まりました。

    Cドラ予選も2位。筒井選手もこのオートポリスがホームコースですので、安定したタイムを刻んでいってくれました。

  • 11日(日)は『決勝日』です。

    土曜日夜から降り始めた雨は、夜中から突風交じりの大雨に変化し、標高800メートルに位置するサーキットは、オートポリス名物の深い霧につつまれ、チームのテントは突風によって破壊され、レースが開催されるかどうかも判らない緊張した朝を迎えました。

    事実、午前中に予定されていたレースはキャンセルが発表され、S耐もこのまま中止が決定されれば、戦わずしてシリーズ2位を受け入れなければなりません。

    午前中に予定されていた「S耐フリー走行」は、ディレイにディレイを重ね、あげくには中止となりました。

  • この微妙な緊張感が続く中、私達に今、出来る事はPIT作業練習のみ!という事で、#38を使ってドライバー交代の練習を、#39を使ってメカニックはタイヤ交換作業練習を重ねていきました。

  • 色々な協議の結果、安全面を最優先に考える形で、3時間のレースは2時間に短縮され、最低でも2周回のSC(追い越し禁止のセーフティーカー先導で)ランからのスタートが決定されました。

  • #38の作戦は、Cドラ筒井選手がスタート→SCランでのスタートにロスの少ない1周目にPIT IN→規定のドライバーチェンジ(Bドラ藤田選手に交替)を含むPIT作業の一回目を消化して→2回目出るであろうSCの際に有無を言わさずPIT IN→Aドラ藤村選手に繋ぐ事に決まりました。

    予定の通り、3位でスタートした筒井選手は1周回目にPIT IN。PITで藤田選手にドライバーチェンジのみを行ってPIT OUTしますが、PITで4位にポジションを下げてしまいます。しかもターゲットの#18が2位と先行されてしまう状況で、SCランが継続されています。このままSCランで84分経過まで引っ張ってレース終了もありえるので、ライバル達より早めの2回目のPIT作業の可能性を模索し始めた頃、SC解除の報告が入ります。

    当然、PIT作業準備を止めてレース再開を無線で報告しますが、この日の無線の調子が最悪で、混乱した藤田選手が先行するマシンとの差を開きすぎたまま、ホームストレートを通過するのが見えました。ヤバイかな?と思った途端、無線で「#58に抜かれてしまいました」と報告が入ります。ポジション5・・・(汗)しかもシリーズ3位の#58にも抜かれると、シリーズランキングが下に逆転される可能性も浮上し始めました。

    この状況から起死回生の逆転策として可能性があるのは、未だ回復しない天候に、必ずもう一度出るであろうSC導入のタイミングを見計らって、PIT INを済ませPITでポジションを上げる作戦しか無い事を確認し、「SCが出たら即!PITに入って!!」とハンドルを握る藤田選手に無線で伝えました。

  • 少し雨がきつくなって来た13LAP目、予想していたSCがコースに入ります。ここで迷わずPIT INの無線を送ります。ちょうど最終コーナー手前、#18を真後ろで追いかける展開から、即PITに入ってくる#38。#18はPITタイミングを遅らせるようです。

    ここで最後の義務PITである藤村選手に交替させ、7秒の給油を済ませてマシンをコースに戻します。PITタイミングを遅らせた#18や#58が14LAP目に続々とPITに入ってきますが、ここで#38は難なくポジションを2位に上げる事に成功します。しかもほぼ1周の差を開く事に成功し、あとは#18との間に何台のマシンが入ってくれるかでシリーズ逆転の可能性も急浮上して来ました。先行する#339を抜く事は厳しいと予想される展開に、とりあえず今のポジションを死守する事、現在の状況などをSCランでLAPを刻み続ける藤村選手に報告しました。

    22LAP目、SCがPITに戻ってきてレース再開!ここで3番手を走る#86に、2周にわたって最終コーナー辺りで抜かれ、ホームストレートで抜き返すハラハラした展開を続け、25LAP目に最後となるSCが入って、このまま84分の70%ルール適用で、レースが終了されました。

  • PIT作戦で勝敗を分けた、非常に厳しいレースでしたが#38は2位。#18は6位に沈み、これにより大逆転シリーズチャンピオンを勝ち取る事が出来ました!

    2年前、藤村選手の相談を受ける形で、「TRACY SPORTS」を紹介し、そのまま私も藤村選手の担当エンジニア&メカニックとして、昨シーズンは2位。今年はスポット参戦からシリーズ参戦に変え、継続参戦する事に決まり、なんとしてでもシリーズチャンピオンを獲って貰いたかったので、この結果は非常に嬉しいですし、藤村選手の今後の為にも非常に素晴らしいシーズンになったと思います。

    2時間レースと変更された同大会ですが、霧&雨がマシになったり、増えてきたりを繰返しているので、レース成立となる70%ルールが適用となる確率も高く、2時間の70%=84分で終了の可能性、1人のドライバーで3分の2以上の走行を禁止するルール(2時間の3分の2=80分、84分の3分の2=56分)、など色々な可能性を考え、レース前&レース中を問わずにPITでは柔軟に作戦を変化させる必要に迫られ、何度も作戦会議を突発的に行いました。この、いつでも横並びで作戦会議が出来る環境が、#38がこの厳しい戦いを勝ち抜けた一番の理由だと思います。

    中村監督、兼村相談役、小森さんと非常に経験豊かな先輩達に囲まれ、いつも楽しくも勝ちに拘った作戦を立て、その作戦を尊重し、いつも素晴らしいドライビングで結果を残してくれた藤田選手、筒井選手、スポットでしたが参加出来なかったドライバーの穴を見事に埋めてくれた坂本選手、長野選手。ライバルチームのPIT回数やタイムキーパーをボランティアでしてくれた人達、私の無茶振りにもなんとか応えてくれた学生達。非常に少数精鋭なこのチームに、いつも安心してレースが出来るマシンを準備してくれたTRACY SPORTSさん。いつも私達の考える作戦を「お任せ」な感じで、かつ、重要な所はさりげなく教えてくれるTRACY兵頭代表。この誰が欠けても勝ちえなかった、皆の力で勝ち取ったチャンピオンの座なのだと本当に思います。最後に、応援して頂いたファンの皆様、本当に有り難う御座いました!!私の2012シーズンのレースは全て終わりましたが、来シーズンもどこかでレースは続けたいと思いますので、引き続き応援よろしくお願い致します。